酸性とアルカリ性の話。仕組みがわかると、汚れの落とし方の仕組みもわかる。
酸性とアルカリ性の仕組みがわかると、汚れの落とし方の仕組みがわかるなと。
小難しいけど、知ると面白い。
汚れ落としも、科学の世界だったんですね。
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酸とアルカリ
【酸】
塩酸、硫酸、酢酸、硝酸のように「~酸」と付き、
水素イオン(H+)を生じるものを酸性という。
食酢や果汁のように、すっぱい味のするものは酸性。
【アルカリ】
「水酸化~」が付き、水酸化物イオン(OH−)を生じるものをアルカリ性という。
(ナトリウム(独読み)ソーダ(英読み)同じものとなる)
草木を燃やしたあとにできる灰を水に溶かした灰汁(あく)のように、苦い味のするものはアルカリ性。
※酸・アルカリ、それぞれを混ぜると中和される。
基本的には”水に溶けた状態”でアルカリ性・酸性を判断する。
例えば
①二酸化炭素(CO2)は水素(H+)がないが、水に溶かして炭酸水にしてから判断。
CO2 + H2O → HCO3− + H+(←H+ができるので酸性)
②アンモニア(NH3)は水酸化イオン(OH−)がないが、水に溶かしてアンモニウムイオンにしてから判断。
NH3 + H2O → NH4− + OH+(←OH+ができるのでアルカリ性)
酸・アルカリ水溶液の強さ・弱さ
ph という単位で表される。
表の通り7phを中性。
それ未満を酸性・以上をアルカリ性という。
弱酸性…3以上6未満
弱アルカリ性… 8以上11未満
酸性・アルカリ性が落とす成分と、種類は?
酸性
分解する成分
・カルシウムなどのミネラル分を分解→ポットやシンクの水垢などを取る。
・アルカリ性の臭いの除去→トイレなどのアンモニア臭はアルカリ性なので、酸で中和させれば消える。
種類
【酢酸 CH3COOH、C2H4O2】
揮発性あるため使いやすい。
【クエン酸 C(OH)(CH2COOH)2COOH】
揮発性があまり無いためスプレー後はベタつく場合も。
アルカリ
分解する成分
・脂肪酸(油脂の一種)と反応して石鹸に変化し、非常に落ちやすくなる。さらに、他の汚れを落とす手助けも同時にする。
・タンパク質のアミノ酸の結合を分解し、落としやすくする→垢、飲食物のこぼしたもの、血液汚れなどを落とす。
種類
【重曹(炭酸水素ナトリウム)NaHCO3】
ナトリウム化合物中で最も弱いアルカリ。酸と反応すると炭酸ガスを発生する。この性質を利用して汚れを落とす。
その他、軟水化(炭酸塩で硬水を軟化する)発泡、中和(臭いの多くは酸性)、研磨効果、吸湿・除湿、効果があるなど、マルチな力を発揮します。
【炭酸ソーダ(炭酸塩・炭酸ナトリウム)Na2CO3】
家庭用アルカリ剤の中では最も強力。炭酸イオン(CO3 2-)を含む化合物の総称。
油をある程度乳化する。タンパク質をある程度分解するなどの効果がある。原液は危険なのですぐに洗い流す事。
【酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)2Na2CO3•3H2O2 または Na2CO3•1.5H2O2】
炭酸ナトリウム(炭酸ソーダNa₂CO₃)と過酸化水素(H₂O₂)が 2:3 の割合で混在してできたもの。
酸化力があるので漂白剤、除菌剤、消臭剤としてよく使われる。「白さ」を強調する合成洗剤に配合されていることもある。同じ漂白剤でも「混ぜるな危険」にはならないのは安心。